まとまり日記

私はこういうときでも自分がいじけなかったこと、力むことなくそういう風に育ったのが母への感謝なのである。これは大きかった。恥ずかしさの容量が大きいのは強いのだ。見栄を張らないで生きること、これは何よりも大きな糧である。(森信雄)

2008-01-01から1年間の記事一覧

バカがいっぱい

気づいてみると、この世の中にはバカがいっぱいである。別に自分以外のすべての人がバカだというつもりはないが、今まで思っていたよりもバカはずっと多いのである。「そんなバカなことがあるか」という人もいるかもしれないが、そういう人は自分とは違う政…

Evo-DevoとDST

最近何回かEvo-DevoとDSTの関係について日本語で書いてあるものを読んだので、今のところの考えをメモ。ただしこのトピックについては今のところリサーチが決定的に足らないので間違いやoversimplificationが入っている可能性が多分にあるので、その点はご注…

1968年のPSA

(題名、本田美奈子の歌みたいですが)ピッツバーグから戻ってきました(そしてそれから何週間もたってしまいました)が、今回のPSAのプログラムには、歴史を振り返る意味で、前回のピッツバーグPSA大会(1968年)のプログラムが添付されていた。そこで驚いた…

KK(功利主義的に考えて)

JK(常識的に考えて)というのがあるのなら、KKというのがあってもよいのではないか。 / ̄ ̄\ / _ノ \ | ( ●)(●) . | (__人__) 五人の重病患者を助けるためなら | ` ⌒´ノ そのために一人ぐらい殺してもいいだろ、功利主義的に考えて… . | } . ヽ }…

「進化論」と「進化学」

進化生物学者の中には「進化論」ということばを嫌って「進化学」を使う人がいる。その理由のひとつとして、こういうものがある。 「進化論」を使うと、「進化論は進化『論』だから、つまり科学ではなく、生物の有り様を説明するための見解のひとつにすぎない…

PSAのプログラム

11月にピッツバーグであるPSA(アメリカ科学哲学会)のプログラムが発表されている。また見慣れない名前があるが...。

学者のための文章読本

先日J.BennettとS.GorovitzのImproving academic writing (pdf.ファイル)というのを読んで結構よかったので紹介。当然英語の文が対象だが、日本語の文を書くときも役立つと思う。[以下の例文は、ブッシュとオバマ以外のものは原論文から(Sep 23)] 短くしろ(…

生物哲学の基礎

訳者の方から献本頂きました。生物哲学の基礎作者: マルティーンマーナ,マリオブーンゲ,Martin Mahner,Mario Bunge,小野山敬一出版社/メーカー: シュプリンガージャパン発売日: 2008/08メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (5件) を見るあ…

三中信宏「生物の樹・科学の樹」感想

三中信宏さんの連載「生物の樹・科学の樹」に感想を書きましたので、どうぞご覧ください。(三中さんからのご返答はこちらをどうぞ。なお、このエントリと三中さんの返答で微妙に時間が前後していますが、それはわたしがこのエントリをアップする前に三中さ…

シアトルに行ってきました

個人的な用事で、シアトルに行ってきました。シアトルにきたからにはということで、マリナーズのゲームを見ました。かなりいい席で、ほんと手が届きそうな距離で、ピッチャーのボールの切れの善し悪しがわかるぐらいの感じでイチローを見ました。 hey!と肩を…

ジンマーの種についての記事

前に書いたジンマーの種についての記事だが、彼のウェブサイトで全文が読めるようになっている。全体の構成は 種という概念の実践的な意味(保全など) 生物学的種概念BSC 系統学的種概念PSC デ=ケロズ(DeQueiroz)およびテンプルトン(Templeton)の考え …

サイエンス・タトゥー

カール・ジンマーのブログで見つけた、サイエンス・タトゥーの世界がおもしろい。科学を愛しすぎて科学にまつわる入れ墨を彫ってしまった人たちである。 系統樹のタトゥー ヘッケルの系統樹とか。 ダーウィンのノートブックの系統樹。 我こそはTree-thinker…

パーフィットと種問題

振られた(?)からには、ぼけるのが関西人。 そういえばパーフィット流還元主義は生物学的種概念の論争にも 応用可能じゃないかと昔から思っているのだがちゃんと比べてみた人はいないのかな。 ちょっと検索した感じではひっかかってこない。[6月12日の記事] h…

ジンマーの〈種〉記事をめぐって

もうすぐ日経サイエンスにでる予定のジンマーの種についての記事だが(翻訳者の三中信宏さんの日記で進行状況を確認できる)、元ネタであるScientific Americanの記事(今はまだ無料では読めないが、そのうち読めるようになると思う)読みました。(Jul.8th)…

哲学関係の音声サイト(含むポッドキャスト)再訪

以前エントリを書きましたが、それからちょくちょくアップデートをしていますので、また見に来てください。

プロフェッショナル・哲学の流儀

virtual philosopher経由。Jonathan Barnes, Myles Fredric Burnyeat, Raymond Geuss, Barry Stroudという四人の哲学者が"modes of philosophizing"(哲学の流儀)について語る。おもしろい。 Memorable quotes BBCは以前は哲学者の講演を敬意をもって放送し…

ホロフォニックはすごい

某動画サイトで知ったのだが、ホロフォニック(holophonic)というのがすごい。原理はたぶんステレオ録音に近いと思うのだが、聞いていると対象が本当に目の前にあるような気がするのだ。 wikipedia以下の音声ファイルはヘッドフォンをつけて聞いてください…

Yes we can!

某ブログ経由で知ったが、これはおもしろい。

スパムの系統樹

スパムの伝播はウイルス的にではなく、もっと樹状に起こっているという話。Jon Kleinberg of Cornell University and David Liben-Nowell of Carleton Collegeのスパムの伝播様式の研究についての論文を書いた。彼らはここ10年弱ネットの世界に出回ってい…

言語の脳科学

言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)作者: 酒井邦嘉出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2002/07/01メディア: 新書購入: 9人 クリック: 106回この商品を含むブログ (65件) を見るを読んだ。 (目次) 1. 脳‐心‐言語 2. 獲得と学習―…

Sober:Evolution and Evidence

Soberの新刊が出た。Evidence and Evolution: The Logic Behind the Science作者: Elliott Sober出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2008/04/21メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (14件) を見るなお、…

心の仕組み

心の仕組み~人間関係にどう関わるか〈上〉 (NHKブックス)作者: スティーブン・ピンカー,椋田直子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2003/06/29メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 80回この商品を含むブログ (50件) を見るを読んでいるが、誤訳のほかにも、…

説明からの反実在論

日本の生物学者の間である程度受け入れられていると思われる種の反実在論に、以下のようなものがある。 [H1] P1) 種という概念は進化生物学の説明において必要ではない。 C) したがって、種は実在しない。 ここで、P1とはどういう主張だろうか? これは「進…

「もっともよい種概念は何か」と問う誤り

種問題について思いついたことがあるのでメモ。種問題を表す一つの仕方は「種はどういう自然種(natural kind)か」というものである。そしてご存じの通り、20以上の種概念が提起されている訳である。たとえば、John Wilkinsのまとめによると、現在提起され…

『知識の哲学』あら探し

『知識の哲学』を(例によってTAの仕事に関連する部分について)読んだ。知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 産業図書発売日: 2002/06/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 75回この商品を含むブログ (66…

ブラッドリー効果

先日のアメリカ大統領選挙・ニューハンプシャー州の民主党予備選について、日本ではあまり触れられていないことがあったのでメモ(と思ったらありましたね-->参考)。この予備選では、世論調査と実際の結果が大きく異なったことが話題になった。投票日の1月8日…