経済学の入門書を二冊読んだので、簡単に紹介。
- 作者: Sean Masaki Flynn
- 出版社/メーカー: For Dummies
- 発売日: 2005/04/08
- メディア: ペーパーバック
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これは「バカのための」の名の通り、実にわかりやすい経済学全般の入門書。構成は、経済学の基礎→マクロ経済学→ミクロ経済学→雑学(経済学史、経済学を知らない人が犯しがちな十の誤り、など)。数式はほとんど使われていないが、グラフは結構使う。ただ、練習問題などはないので、たぶん授業について行けない人のための副読本という役割なのだろう。
マクロ・ミクロとだいたいのところは抑えている感じだし、雑学のところもなかなかおもしろい。例えば、「経済学を知らない人が犯しがちな十の誤り」のなかには
- もしそれがやる価値のあることなら、完璧に行え。
- 自由市場は不安定で危険だ
- 豊かな国は賃金の低い国には競争ではかなわない
といった項目がある。英語も込み入っておらずわかりやすい。あと値段が安いのも魅力だ。たとえば定評のあるマンキューの教科書Principles of Economics (Available Titles Coursemate)は、にまんえん程するが、これは二千円足らず。
もう一つ読んだのは
- 作者: David C. Colander
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill College
- 発売日: 2001/11/06
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これは以前住んでいた寮で譲り受けたもので、今調べるとだいぶ高そうなので自分でお金を出して買うかは微妙。しかし、これも学部初級レベルで、わかりやすかった。一つ目を開かされたのは、国の財政赤字を家計でたとえることの誤りを論じた部分だ。このたとえはよく新聞でも見るし、またルーズベルトもこうした考えをもっていたということできわめて一般的だ。しかし、この本によると、国家の借金と家計や個人の借金は、次の点で異なる。
- 個人は死ぬが、個々の国家は当面の間なくならない。つまり個人の場合返済期限がシビアに決まっているが、国の場合そうではない。
- 政府の借金(国債)は、政府の別の部門が買っていることがあるので、国債の一部は国の資産になっている。つまり、国債発行額=国の正味の借金とはならない。
- 政府には通貨発行権があるので、いざというときはチャラにすることができる。(まあそのためにインフレになるんですけど)
なるほど、という観点だ。