各所で話題の事業仕分けメモ。
事業仕分けの全体像を見るには、事業仕分けを考え出した構想日本のスライドを見るのがわかりやすい。これをみると事業仕分けは民主党政権になってからぱっと出てきたのではなく、自民党時代からやっていたことがわかる。
- 「行政の事業仕分け」について(pdfファイル)
以前の科学技術関係の事業仕分けの結果は33ページにある。これをみると、以前の査定でもスパコンはクロ(今のままなら不要)の判断が大勢だったが、座長判断でシロとなっていたことがわかる。そうなると、説明が不十分という意見にも妥当性がある(説明に進歩がないのでは?)。
また、自民党で事業仕分けに熱心な河野太郎議員のブログをみると、「科学技術予算を若手研究者の失業対策につかうな」という意見も、前からでていた。
日本に世界のトップレベルの研究拠点を作るという触れ込みのグローバルCOEという文科省の予算があった。その名目には誰も反対できないが、実際は、仕事のないポスドクをアシスタントとして雇うというポスドクの失業対策だった。
立派な名目に予算がついているが、その内容は名目とはほど遠いというのが一番、予算の無駄になる。
http://www.taro.org/2009/06/post-574.php
そういう意味で、同じ疑問にいつまでたっても答えられないとなると、態度は厳しくなるというのも、わからなくもない。
追記(20/Nov/2009)
昨年八月の自民党による科学技術関係の事業仕分けの結果を抜粋して表にしました(今回話題になったものを中心)
事業名 | 宇宙輸送システムに係る研究開発事業(独法・宇宙航空研究開発機構) | 次世代スーパーコンピュータ(独法・理化学研究所) | 日本科学未来館(独法・科学技術振興機構) | グローバルCOEプログラム | |
---|---|---|---|---|---|
不要 | 0 | 1 | 3 | 5 | |
今のままなら不要 | 10 | 7 | 1 | 4 | |
民間 | 1 | 0 | 5 | 0 | |
自治体 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
国(継続) | 3 | 1 | 0 | 2 | |
判断 | 国(継続) | 国(継続) | 民間 | 今のままなら不要 | |
座長コメント | 「今のままなら不要」という意見が多いが、国として必要なものは国がやるという判断。ただし、GXロケット凍結すべき。 | 産業界は国際競争力が重要であり、大きな武器になるのはスパコンである。特にナノテク部門やライフサイエンス部門。先日iPS細胞の話を聞いたが、いくら研究を進めてもスパコンが無ければ研究がストップしてしまうという話だった。そういう意味で、これは国がやるべき事業と判断。 | この事業は必要だと思うが、今の国の財政状況を考えた場合国のお金でやるべき仕事ではない。今の仕事ができる形で民間の知恵をどう取り入れることができるかという方向で考えるべき。 | 世界最高水準の研究拠点の趣旨は概ね合意だが、より政策的な視点が必要。 |
こうやってみるとあまり今回と結果が変わらないような。