(タイトルなどはAIに考えてもらいました)最近ほとんどエントリを書けていませんが、多少は仕事をしておりまして、本日監訳をした書籍が出版になります。「科学的に正しい」とは何か (ニュートン新書)作者:リー マッキンタイアニュートンプレスAmazonこれは…
ChatGPTに数字の語呂合わせになる文(「いい国」→1192のようなやつ)を作ってくれるように頼んだが、全然できなさそうなことがわかった。言語系のタスクは得意だと思っていたので(また語呂合わせになる文を作るプログラムを組むのは簡単だと思うので)意外…
バイデン氏やトルドー氏については書いてくれるのだが。
さて以前のエントリで述べた不満研究事件だが、このプロジェクトのメンバーのプラックローズとリンゼイが書いた本が翻訳されるという(原著についてもわたしは未読)。この本が話題になる理由の一つには彼らがこの事件を起こしたからだろう。しかしわたしは…
論文を寄稿した本が刊行されました。Species Problems and Beyond (Species and Systematics)CRC PressAmazonわたしの章ではこれまで刊行した拙論の議論を踏まえて「種問題がどこまで重要か」という問いを提起しています。ご笑覧ください。
不平不満研究事件(「フェミニズム版ソーカル事件」と呼ばれることもある)について、ラゲルスペッツ(Lagerspetz)という社会学者の論文を読んだので、それを簡単に紹介したい*1。 事件の概要 不平不満研究事件(The Grievance Studies Affair)とは、2018…
本日発売の『図書新聞』に『動物意識の誕生 上: 生体システム理論と学習理論から解き明かす心の進化』の書評を書きました。
『現代思想』誌2021年10月号は「現代思想 2021年10月号 特集=進化論の現在 ―ポスト・ヒューマン時代の人類と地球の未来―」と題された特集だった。わたしはこの特集全体の企画意図に問題があると考えるので、手短に述べたい。わたしの不満は一言で言うと「こ…
米国の政治で議論される問題の中には「文化戦争」(culture war)にかかわるものがある。これは、人工妊娠中絶や銃規制の是非といった、経済や外交とは直接関係ないが、有権者のアイデンティティや価値判断にかかわる問題である。現在の米国政治では左右両派…
拙著『種を語ること、定義すること: 種問題の科学哲学』について以前岡西政典さん・三中信宏さんと行った本屋B&Bでのオンラインイベント の画像と音声のアーカイブ販売が行われています(8月末まで)。bookandbeer.com 写真はB&Bさんでの販売棚です。ご興味…
よく今の大学はかつてのようなレジャーランドではないといわれる*1。ツイッターでは大学教員から、現在の大学は学生に対して面倒見がよくなり、よく勉強させるといわれる(ソース)。これはわたしの体感にも合致しているが、しかしきちんとしたデータを引い…
新著が好評発売中です。種を語ること、定義すること: 種問題の科学哲学作者:祐一, 網谷発売日: 2020/12/15メディア: 単行本
拙著種を語ること、定義すること: 種問題の科学哲学 出版を記念してオンライントークイベントが行われます。わたしの他の出席者は岡西政典さん新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学 (中公新書 2589)作者:岡西 政典発売日: 2020/04/18メディア: …
拙著プロモーションの一環で、哲学と科学の関係についての小文を「現代ビジネス」に書きました。 gendai.ismedia.jp
師走になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。さてこのたび単著を出版することになりました。種を語ること、定義すること: 種問題の科学哲学作者:網谷 祐一発売日: 2020/12/15メディア: 単行本この本のテーマは種問題です。分類の基本単位である…
11月17日更新(14・15日にあった調査の数字および平均値を更新)日本学術会議の問題だが、この1週間ほど、学術会議問題で個人的に憂鬱が続いている。その理由は学問の自由が脅かされたからではない。大学人がいかに国民の支持を得ていないかがは可視化され、…
「AI・ロボットの倫理」を扱う授業を行う関係でAI関係の本をいくつか読んだので紹介しよう。わたしが読んだのはAIを自分で作ったり活用する本(例えば機械学習のしくみを学ぶ本)ではなくて、テクニカルな詳細にはたち入らずにAIの歴史やAIの問題を紹介する…
読みやすい文章を書くためのコツは色々とあるが、一つ重要なのは読者の期待(予測)をコントロールすることである。これはどういうことかというと、「これからわたしがどういうことを・どういうやり方で語るか」ということが読者にわかるように書いていくこ…
陰謀論を扱った二つのポッドキャストを聞いた。一つは陰謀論と政治に関わるFivethirtyeight(FTE)のポッドキャストで、もうひとつは地球平面説を扱ったScientific Americanのポッドキャスト。このうちだと前者の方が紹介する内容が多いので、以下ではFiveth…
わたしはコンピュータ科学の学部に勤めているので、科学史の授業でコンピュータ史を扱った。わたしはコンピュータの歴史やしくみには全くの素人だったので、その際にそこそこに本を読まなくてはならなかった。その中から役に立ちそうなものものを紹介する。…
という記事が『ネイチャー』に載っていたので簡単に紹介。著者はスペインの臨床心理学者。書いてあることはそれほど目新しいことではないかもしれないが、現下の状況でここで確認・共有することには意義があるだろう。 期待を下げる:授業がなくなった大学に…
新型コロナウイルスの流行で多くの学校が閉鎖されている。しかしそうしたことの予期せざるよい面を見ようとして、ニュートンのエピソードが話題になることがある。曰く ニュートンが微積分法、光と色の新しい理論、および万有引力の理論という大きな発見をし…
エルンスト・ヘッケル(1834-1919)の研究不正の事例について科学史の授業のためにいくつか論文を読んだが、授業ではほとんど使わなかった(二枚スライドを作っただけ)ので、またこの事例は日本語で検索してもあまり記述が出てこないので、ここでメモ。ヘッ…
教えている「科学史」の授業で、どのようにして科学者が今のようなあり方になってきたのかについて講義した(専門用語では「科学の制度化」という)ので、その準備に使った四冊を紹介。科学の真理は永遠に不変なのだろうか (BERET SCIENCE)作者:中根 美知代,…
最近は論文のドラフトなどを読む機会が多くなっているが、そこで気になることの一つは道標(サインポスト)がないために読みにくくなっている文章が多いことだ。サインポストというのは、これから書く文章についてのメタレベルからの説明である。例えば「こ…
「科学史」の授業のために酸素の発見史についていくつか読んだので、その感想。ただし酸素の発見史に一冊すべて充てている本は日本語ではないと思うので、以下の感想は「化学史の入門書の中で酸素の発見史の部分に関するもの」ということになる。化学史への…
研究費の配分を(一部)くじで決めているという『ネイチャー』誌の記事を読んだ。これを行っているのはニュージーランドの健康科学評議会(Health Research Council of New Zealand)という政府の組織で、2015年にくじを導入した。くじで研究費の配分を決め…
日本語の哲学の論文を読むと、英語の要約部分で結構な確率で「I insist that p」が使われているのを目にする。例えばciniiで"I insist that"で検索すると、500件ぐらいヒットする。英和辞書を読むとinsist that pは「~と主張する」と書いてあるので、著者の…
高校生に出張授業をする準備のために『ミライの授業』[isbn:4062200171:detail]という本を読んだ。 しかしこの本のメンデルにかんする部分(204-210頁)は大幅に間違っている。著者はメンデルについて次の三つのことを述べている。
授業準備のために最近Philosophy: Asking Questions - Seeking Answers作者: Stephen Stich,Tom Donaldson出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 2018/08/10メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見るを買ってめくっているが(H/T @kasa12345)…