まとまり日記

私はこういうときでも自分がいじけなかったこと、力むことなくそういう風に育ったのが母への感謝なのである。これは大きかった。恥ずかしさの容量が大きいのは強いのだ。見栄を張らないで生きること、これは何よりも大きな糧である。(森信雄)

研究者のためのメンタルヘルスマネジメント:7つのコツ

という記事が『ネイチャー』に載っていたので簡単に紹介。著者はスペインの臨床心理学者。書いてあることはそれほど目新しいことではないかもしれないが、現下の状況でここで確認・共有することには意義があるだろう。

  1. 期待を下げる:授業がなくなった大学に勤めている人にとっては、隔離期間は今までやれなかったことに取り組める期間になると思うかもしれない。しかしパンデミックがもたらす感情的・認知的負荷を舐めてはいけない。やる気が出なかったり、注意がそがれたりすることは普通に起こりうる。リモートワークなどの新しい仕事の体制に移るには時間がかかる。だから期待を上げすぎないことだ。
  2. ストレスに先回りして対処:ストレスが過大にならないうちに対処すること。睡眠第一。また睡眠がちゃんと取れるようにすること(寝る前にブルーライトを浴びないようにするとか)。きちんと食事をとる(でも大量のアルコール摂取には注意)。運動。
  3. 警告サインに気を配る:ストレスがたまってきたときには、心身の不調のサインが出る。例えば、集中できないとか、不安・悲しみ、イライラするとか、コロナウィルス関連の統計を見るのがやめられないとか。こうしたサインはネガティブな感情のサイクルを増幅する。こうした時は深呼吸をするなどしてそのサイクルを断ち切ろう。
  4. ルーティンは友達:仕事の時間とそうでない時間を分ける、また仕事場とそうでないところを分けるのは大事。仕事やウィルス関連ではない楽しい活動を見つけよう。きちんと休憩を取って仕事をするのは、頭がすっきりする。
  5. 自分自身と他人にやさしくする:今の時期、自分ひとりではどうにもならないことがたくさんある。でも、それをどう捉えるかで、この時期を乗り越えられるかが決まる。打ちのめされたと感じるときは、「もうできない」とか「難しすぎる」といった気持ちが出てくる。こういう困難な時期に我々はいつも最善のことができるとは限らない。助けが必要な時は助けを求めよう。
  6. つながりを大事に:どんなに内向的な人でも「他人とつながっている」という感覚は心身の健康に大事。いまはオンラインでつながれる場所が大勢できている。我々は物理的には隔離されているが、孤独だと思う必要はない。
  7. 今を生きることで不確実性を切り抜ける:一日一日を味わい自分のコントロールできることに集中しよう。マインドフルネスや瞑想はとても役に立つかもしれない。