と主張する記事があったので紹介。
この記事では、PayScaleというサイトの調査を元に、アメリカの大学の学部卒業生を対象にして(したがって大学院に入学した人は入っていない)、専攻によって卒業後の収入がどのくらいになるか、また高卒で社会人になった場合と比べてどのくらい収入が増えるかを調べた。その結果が以下の表である。
専攻 | キャリア前半収入(ドル) | キャリア中盤収入 | 生涯収入増加 |
---|---|---|---|
アート | 36,100 | 57,100 | 315,500 |
ドラマ | 35,600 | 56,300 | 302,400 |
英文 | 38,700 | 65,200 | 444,700 |
仏文 | 40,900 | 66,700 | 470,900 |
歴史 | 39,700 | 71,000 | 537,800 |
哲学 | 41,700 | 78,300 | 658,900 |
これを見ると、「収入に結びつかない」と言われている人文系の専攻でも、高卒の人に比べると30万ドル以上の非常に大きな収入の増加に結びついていることがわかる。
記事によればもし自分の州のトップの州立大学に奨学金なしで行ったとしても費用としては8万ドル程度なのだそうで、そうするとキャリア全体を通してみると、哲学専攻は収入の面から見ると十分おつりがくる。
また、哲学専攻の収入は他の人文系の専攻と比べても良好である。人文系だけでなく理系の専攻と比較してみても、哲学専攻の収入は大学の全専攻(130)のうち58位とそれほど悪くない(資料)。
なお北米の大学の哲学科では、学生を勧誘する際にこうした現世的利益を強調することは少なくない。たとえばハーバード大学の「なぜ哲学を?」というページでは哲学科の学生がいかに就職に有利か、またGREなどの試験でよい成績を取っているかを喧伝している。